機械式LSD取付

サンプル車:PS13シルビアK's
(LAST UPDATE:2010.2.4)
 

ドリフトするのに必須パーツである機械式LSDを組み込みます。
PS13での紹介ですが、R200車ならS13〜S15、R32など数多くの日産車は作業自体は共通です。(部品番号は違います)
意外と簡単なのでチャレンジしてみるといいでしょう(`・ω・´)

使用した部品

商品名もしくは部品名

部品番号 価格
ATS機械式LSD(1.5WAY) NRB-10920 \108000
サイドフランジ 38220-41F01 ×2ヶ(6穴) \14800
38220-73L01 ×2ヶ(5穴) \17900

サイドベアリング

38440-N3110 ×2ヶ \2790
サイドシール 38342-N3100 ×2ヶ \380
デフカバーガスケット 38320-40F02 \1130

価格はすべて2010.1現在&税別
 

使用した工具

工具名 備考
ソケット 14、17ミリ
スピンナーハンドル  
鉄パイプ  
ハンマー  
タイヤレバー バールでもOK
スクレーバー カッターナイフでも可
オイルストーン 砥石でも可
潤滑浸透剤 CRC-556、ラスペネなど
ネジロック剤 再剥離可能タイプ
パーツクリーナー ブレーキクリーナーでOK
インパクトレンチ 14、17ミリ

ATSの機械式LSDです。

まずはデフケースカバーを取り外します。
印のボルト8本(14ミリ)を取外します。

オイルを抜いていない場合は、カバーを外すとオイルが出てきますのでこのようにしてオイルを受け取ってください。k

オイルが抜けたらサイドフランジを取り外します。
取り外す前に左右が分からなくならないようにマーキングしておきます。
スライディングハンマーで引き抜くのが正式な方法なのですが、そんなものはないのでタイヤレバーとハンマーを使って外します。
タイヤレバーを差し込んでコジり、ハンマーで叩いて、少しずつスライドさせて外します。

 

片方のサイドフランジが抜けたら、抜けた側から長いエクステションバーなどを使い反対側を打ち抜くとラクです。

※このワザはビスカス、もしくはオープンでしかできません。

ベアリングホルダーを外します。
パーツクリーナー等で脱脂をし、左右の識別マーキングを行い、
印のボルト4本(17ミリ)を外しベアリングホルダーを取り外します。
今回はインパクトレンチで取り外しました。

ベアリングホルダーを取り外したところです。シムの位置、数を覚えておきましょう。
携帯カメラなどで撮影しておくと困ったときの保険になり便利です。

そしてデフ玉(今回はビスカス)を取り出します。
ケースを横にし、リングギアのボルトにタイヤレバーなどをひっかけテコの原理を使い取り出します。
※荒業ですが、ケースをひっくり返して軽く地面にゴンゴンとぶつけるような感じにすると簡単に外せます。ただし、下にはキズを防ぐためのダンボールなどを敷いておいてください。

取り出したデフ玉です。ベアリングとベアリングホルダーだけでなく、アウターレースや、シムも一緒に外れてしまうことがあります。位置や順番など間違わないように覚えておいてください。

デフ玉からリングギアを切り離します。
リングギアを固定している10本のボルト(17ミリ)を取り外します。
今回はインパクトレンチを使いましたが、インパクトレンチがない場合は万力に挟み、スピンナーハンドルなどを使って取り外してください。

※ここがデフ交換で一番硬く締め付けられているボルトとなります。

リングギアが外れました。
これでもうビスカスデフ玉とはお別れです(`・ω・´)

ベアリングを再利用する場合はプーラーを使いベアリングを引き抜いてください。
個人的にはベアリングの再利用はオススメしません。

サイドシールを取り外します。
今回はバールでこじって外しましたが、デフ玉を取り外している状態に限り、外から内側に打ち抜くだけでOKです。適当なソケットをあてがってハンマーでガツン!とやってしまいましょう(`・ω・´)

オイルシールを抜き取ったらこうなります。
取り外したあとはサビなどをワイヤーブラシ等で落としておきましょう。

何もなくなったデフケースです。パーツクリーナーなどできれいにしておきましょう。
また、デフカバーガスケットのカスなどがあればスクレーバーやオイルストーンを使いきれいに落としておきましょう。きれいにしておかないとオイル漏れの原因になります。

同様にデフカバー側もきれいにしておいてください。

このようにオイルストーンを使うとラクチンです。デフオイルをつけてゴシゴシと磨きあげましょう。

リングギアもきれいにします。このとき、歯欠けなどがないかチェックしましょう。

リングギアボルトも脱脂します。ネジロック剤がついている場合はスクレーバーやカッターなどで丁寧に取り除きます。

新しいサイドシールを打ち込みます。
先ほど取り外した古いサイドシールをあてがいハンマーでコンコンと少しずつ打ち込んでいきます。
CRCを塗っておくとスムースに打ち込むことができます。

※打ち込みすぎると内側に抜けてしまうのでほどほどに。

サイドベアリングを打ち込みます。
本来はプレス機を使って装着するのですが、そんなものはないのでハンマーで打ち込んでしまいます。
写真のように大きめのソケットをあてがいコンコンと軽くハンマーで叩いて少しずつ入れていきます。
CRCを吹いておくとスムースに入れることができます。

ベアリングとデフ玉がツライチになるまで打ち込みます。

リングギアを取り付けます。必ずリングギアボルトにネジロック剤を塗ってください。ネジロック剤は「再剥離可能タイプ」を使ってください。


リングギアの位置が出しにくいときはリングギアの内側にCRCを塗っておくとスルスルと動くようになり便利です。 また、締めたボルトにはマーキングしておくと分かりやすいでしょう。
なお、 ボルトは対角線上に締め付けていってください。

※写真は対角線上に締めていません。これは間違ったやり方ですのでご注意を!(爆)

リングギアにはファイナル数が書かれています。このファイナルは49:12と書かれているので4.083ファイナルということになります。

参考までにご紹介しておきましょう。これはラルゴなどに使われている4.625ファイナルです。
37:8と書かれています。

いよいよデフ玉をケースに組み込みます。
赤矢印のシムを1枚抜いた状態でデフ玉を入れます。

具体的には左側に分厚いシムを、右側に薄いシムを入れた状態でデフ玉を入れます。

※ベアリング部分にはデフオイルを塗っておきましょう。
そして1枚だけ抜いていた左側の薄いシムを差し込みます。
手で差し込めるのは写真ぐらいまでなので、ここから先はハンマーを使って打ち込みます。
このようにハンマーを2本つかい打ち込んでやります。決して直接叩かないようにしてください。

※ハンマーではなく真鍮の棒をあてがうのが正式な方法です。
サイドベアリングホルダーを取り付けます。
外す前にマーキングした位置と同じところに取り付けてください。

※ベアリング側にはデフオイルを塗ってください。
Now Printing そしてサイドフランジを取り付けます。単純にプラハンなどでコンコンと打ち込むだけです。
今回は左右とも同じフランジを使いました。
Now Printing 歯当たりのチェックをします。
光明丹やポスターカラーなどをデフオイルに溶き、リングギアに塗ります。
そしてコンパニオンフランジ(プロペラシャフトがつくところ)を回し1周させます。
どの歯も歯の中心あたりに当たっていればOKです。
Now Printing 次にバックラッシュ測定をします。
ダイヤルゲージとゲージスタンドを取り付けます。リングギアの歯に対して直角になるようにゲージをつけます。
コンパニオンフランジを固定してサイドフランジを動かすとカコカコと動くので、その動く幅をチェックします。

0.10mm〜0.25mm程度であば問題ありません。0.25mmを超えたらシム交換をして調整してやる必要があります。

デフケースカバーを取り付けます。
取り付ける際に締め付ける順番が対角線になるようにしてください。
@〜Gを順番に締めていけばOKです。

最後にオイルを入れて完成です。